海外出願の現状と注意事項

海外出願の現状と注意事項のご説明

新品種の海外出願は年々増加傾向にあり、海外展開を考え外国への出願をご検討中の種苗業者様や個人の育苗家の方も多いと存じます。

このページでは海外出願の現状と注意事項についてまとめておりますので、是非ご参考にしてください。

まずは、海外出願の現状についてのご説明です。

海外出願の現状

現在の日本において、あらゆる企業が海外でのビジネスチャンスに目を向け海外進出しています。これに伴い新品種登録も、海外への出願は年々増加傾向にあります。

農林水産省の発表した統計でも、2010年時点で日本からUPOV条約加盟国である海外への品種登録出願件数は約250件と公表されています。

このように新品種の海外出願は、大きなビジネスチャンスであり、今後も益々活発になっていくとみられています。

これを受けた農林水産省は海外出願時の品種保護強化のため、「東アジア植物品種保護フォーラム」を日本のイニシアチブにより設立し、東アジアでの植物品種保護制度の共通基盤の構築を推進しています。

さらに、品種保護制度運用の国際標準化の推進のため

  1. 品種保護制度の整備・拡充及びUPOV91年条約の締結の働きかけ
  2. UPOVが定める審査基準の新設・改定にあたって、日本審査基準の反映
  3. 海外との審査データの相互利用の促進

などを積極的に推し進め、海外における品種保護の徹底を図っています。

海外審査機関との審査協力協定

海外出願の審査効率化に向けて、既に審査が実施された品種について審査報告書の相互利用を進めるため、日本と外国の審査当局との間で審査協力に関する覚書等の締結を進めています。

これまでに、イギリス、ドイツ、オランダ、イスラエル、ニュージーランド、EU、ベトナムとの間で覚書が交わされており、登録審査の迅速化が進んでいます。

EUとの審査協力協定

農林水産省生産局は、EUとの間で審査協力協定を締結し、先願国の栽培試験結果を後願国が利用できるよう、審査基準及び栽培方法等の調和を図っています。

審査協力協定の合意:平成18年

対象植物:バラ(切花)、ペチュニア、カリブラコア、キク(スプレータイプ)、バーベナ

審査報告書の購入実績 20年度:33件  21年度:13件 22年度:6件  23年度:2件

海外出願時の注意事項

海外出願で注意すべき点は、

  • UPOV条約の加盟国と非加盟国がある
  • UPOV加盟国であっても、日本のように全品種が品種保護の対象となっていない国がある
  • UPOV加盟国へ出願の際、具体的な品種登録時の書類様式、記載すべき事項や情報の程度など、各国によって要求する内容が違う

など、十分な統一がなされていないことなどが挙げられます。

下記で海外出願時の注意事項の詳細をご説明いたします。

海外出願を視野に入れて国内品種登録を行う必要がある

海外出願する品種について、「出願品種は、すべての条約締結国のおいて同じ名称」を使用しなければなりません。

例えば、日本において、「赤い花」として品種登録出願した場合に、その後、海外出願する時は日本での品種登録出願時、願書に記載した名称のローマ字表記「AKAIHANA」という名称で海外出願する必用があることです。

将来、海外出願することを予想している場合、あらかじめ日本で出願する段階で、海外出願に使用しても良い名称を付けておくことが大切になります。

UPOV加盟各国の品種登録制度が違う

UPOV加盟国といえ、各国独自の法律に基づき、品種保護制度を採用しております。従って、日本の品種登録制度とは保護対象植物や育成者権の有効期間が異なってきます。

更に審査基準も違うため、求められる提出物も変わってきます。当然、審査期間や方法も異なりますので海外の特許事務所などとの連携が必須となります。

出願国の気候の違い

海外出願する場合、日本で栽培が可能な果樹や花卉類であっても、気候など、環境が違う地域での栽培が再現できないリスクがあります。

これを見据えた上で、海外出願する品種を決める必要が出てきます。新品種であれば、どの地域にでも海外出願するのでなく、あらかじめどの国に出願できるかを見据えて出願することが必要です。

海外出願のまとめ

今後益々、海外出願は盛んになっていくことが予想されます。その際は、特に登録品種の名称の付け方、出願国の品種保護制度の有無と対象植物か否かの確認、海外でも栽培可能な植物か否かの確認を十分行わないと、労力と費用のムダ使いになってしまいます。

品種登録専門の「行政書士法人シフトアップ」では、海外出願には不可欠な海外特許事務所との提携により、アジア圏、アメリカ、ヨーロッパなどへの海外出願が可能です。

品種保護対象植物の確認、栽培可能か否かの確認などは、当事務所が窓口となり、提携特許事務所にて確認し、各国の言語に翻訳して品種登録を行いますのでご安心ください。

 

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