種苗法による品種登録制度で登録できる「品種」とは、農林水産業に利用される植物を言います。 そして、登録できる単位は品種ごとになります。
品種登録できる「品種」は種苗法で以下のように定められております。
- 重要な形質に係る特性の全部または一部によって、他の植物体の集合と区別できること
- その特性を全部保持しつつ繁殖させることができること
上記2つの要件を満たしている植物体の集合を言います。 法律用語だけではよくわかりませんので以下もご覧ください。
品種の重要な形質と特性とは
次は種苗法で定める品種の「重要な形質と特性」についてのご説明です。
重要な形質とは
「形質」とは生物の持つ性質や特徴のことで、その植物体を他の品種と違うと区別する時に「ここで判断する」という性質や特徴が「重要な形質」です。
重要な形質とは言うものの、「花弁の形が違う、色が違う、模様が違う」など、形だけとは限りません。 「
重要な形質」についてはUPOV条約に基づいて、農林水産省が日本独自の「審査基準」を品種ごとに設けています。
例)「エクメア」の重要な形質
- 草勢及び草丈
- 葉形、葉の大きさ、葉色、葉の光沢、葉の厚さ、葉面の白粉の程度、葉緑のトゲの形状及び吸枝の発生程度
- 花穂の形・大きさ・色、ほうの毛の多少・トゲの有無、花弁の形・大きさ・色、一花ほうの花数、花柄の長さ・太さ・色及び毛の多少
- 開花時期、花柄の分岐性、耐寒性、繁殖性、病害抵抗及び虫害抵抗性
特性とは
特性とは、それぞれの形質ごとの性質のことで、例えば「花の色が赤い」などです。 種苗法による品種登録の要件として、特性について、区別性、均一性、安定性という性質を持つものでなければならず、新たに育成されたものでなければならないと定められています。
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