知っておくべき周辺知識 種苗法に基づく品種登録

登録品種を海外へ輸出するときに注意すべきこと

育成者権者から正規に譲り受けた登録品種を海外へ輸出する場合に注意すべきことのご説明です。

 

登録品種の海外輸出

登録品種の育成者としての権利を持つ者(育成者権者と言います)から正規にその権利を譲り受けた者、契約等により専用利用権または通常利用権の権利を受けた者には、その登録品種の種苗、収穫物、加工品には育成者権は及ばない(権利の消尽と言います)と種苗法で定められています。

しかし、登録品種の種苗等を輸出する場合で輸出先の国が

  1. 品種登録制度のない国である場合
  2. 品種登録制度があっても輸出する登録品種が属する植物の種類を保護対象としていない国の場合

に、登録品種の種苗または食用・観賞用として最終消費以外の目的で登録品種の収穫物を輸出するには、再度育成者権者からの承諾を得る必要が出ます。

ただし、加工品を輸出する場合は、再度承諾を得る必要はありません。

 

海外輸出に再承諾が不要な場合

輸出先の国に品種登録制度があり、かつ、輸出する登録品種が属する種類の植物を保護対象としている場合、正規に入手した登録品種の種苗や収穫物であれば、「輸出不可」等の条件が付いていない限り、育成者権者の承諾を得ることなく海外輸出が可能です。

日本の法律は、海外では適用されないので、育成者権者が輸出先の国で種苗の増殖を防ぐためには、その国の品種登録制度に基づく品種登録をする必要があります。

実際には、海外での無断増殖を防ぐために、その国で品種登録を受けるにも、費用と時間がかかります。何か国の品種登録を受ければいいかも見当がつきません。

もし、海外で無断増殖された登録品種が輸入された場合、日本の種苗法に基づき育成者権の効力が及びます(権利の消尽は発生しません)ので、輸入差止請求をしましょう。

 

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