種苗登録が5分でわかるページ

種苗登録の要点

種苗登録(種苗法に基づく品種登録)とは何かを5分でご理解頂けるようご説明しております。種苗登録をご検討中の育苗家・種苗業者様にご一読頂けると幸いです。

 

種苗登録と種苗法

種苗法、育成者権、種苗登録(品種登録)ってなに?

種苗法とは

最近では、スーパーで聴きなれない名前の食材がよく販売されています。いわゆる新品種ですね。食材育成者権などの農作物に限らず、花卉類も新品種を良く目にします。

新品種育成は古くから行われており、既に存在する品種を掛け合わせるなど、膨大な時間、お金、労力を費やします。

そうしてできた新品種ですが、その種子や苗を手に入れれば簡単に誰でも増殖することができます。

これでは、開発・育成した人の努力は報われません。そして、農林水産業の発展もままならなくなります。

そこで新品種を育成した人の権利や利益を保護するため「種苗法」という法律ができました。

人の知的な活動による成果を保護する「知的財産権」の一種で、育成者として種苗登録した品種の利用を「独占」させる法律です。

この種苗法に基づき種苗登録した品種を「登録品種」と言います。

この種苗法を上手に利用することで、育苗家や種苗業者様の経済的な利益保護やブランド確立を行うことができます。

育成者とその権利

新品種を開発した人を「育成者」と言い、種苗登録により育成者には「育成者権者」という権利が農林水産大臣から与えられます。

育成者は登録品種を生産、増殖、販売等することを独占する権利(育成者権と言います)を持つことになります。

育成者権が与えられることで無断で種苗登録で登録した品種を輸出や販売、増殖等している人を見つけたら権利侵害賠償請求などをして権利を守ることができます。

育成者の権利が主張できないケース

種苗法では育成者としての権利が認められない場合もありますので注意が必要です。

  • 他人が試験や研究のため登録品種を使用する場合
  • 育成者から正規に譲り受けた種苗で農家が自家増殖する場合育成者権が及ばないとき

などは育成者の承諾を得る必要はないとされています。育成者とはいえ、どんな時でも権利を主張できるわけではないということです

また、育成者権者が、登録品種を売った場合などは、育成者としての権利はなくなってしまいます。

これを防ぐため、育成者としての権利は残しておく内容の契約書を作成して登録品種を販売します。

ただし、販売等して育成者権を他人に譲っても、権利を譲り受けた側は無断増殖できないよう種苗法で定められています。

新品種として認められるための要件

区別性、均一性、安定性開発した品種を登録するためには、その品種が既に存在する品種と明らかに違うことが必用です(例えば花びらの形が違う、色が違うなど)。

具体的には、「区別性、均一性、安定性」が必用と定められています。

突然変異で一つだけ違う品種ができたのでなく、開発した新品種をたくさん栽培しても、その殆どが既にある品種と明らかに違うこと。

更に繰り返し栽培しても明らかに違うことが必要ということです。

また、「登録品種の名称の適切性」や新品種を登録前に「他人に譲っていない」ことも品種登録の要件となります。これはお金をもらったかどうかは関係ありませんので注意しましょう。

出願から登録までの流れ

種苗登録を行うには、願書、説明書、登録する品種の写真などを付けて農林水産大臣宛てに提出します。出願料は、47,200円で、収入印紙で支払います。

願書には、登録を受けたい人の住所、氏名、登録する品種の種類や名称などを書きます。

名称は、既にある品種と似ていたりすると、直すように指示が入ります。その場合は訂正して再度提出します。

説明書には、登録したい品種が既にある品種と「どこがどのように違うのか」などを書きます。

品種登録するのが種子の場合は1000粒、菌株の場合は培養したものを試験管に入れて5本提出します。

出願後の権利と登録

一般的に種苗登録は出願から1年~2年ほどかかりますが、出願後は「仮の育成者としての権利」が認められます。

そして、出願中の品種を他人が勝手に売買したりできない「仮保護」という制度で守られます。勝手に増殖や販売などしている人を見付けたら「警告書」などを出して権利を守ります。

願書等に不備がなく、品種が新品種として認められると、めでたく種苗登録されたことになります。ここで初めて正式な育成者としての権利=育成者権が認められます

育成者権の続く期間は25年(果樹などの永年性植物は30年)と定められています。この期間が過ぎたら育成者権は消滅してしまい、誰でも勝手に登録品種を販売、栽培、増殖等できるようになります。

まとめ

種苗法に基づき種苗登録を行うには、種苗法を理解する必用があります。

種苗登録ができる品種の要件、育成者権を理解した戦略的な登録品種の活用方法、他人に権利を侵害された時の対処法。

「行政書士法人シフトアップ」は育苗家や種苗業者様のために弁護士や弁理士と提携し、これら全てをサポートする体制を築いております。

種苗登録にまつわる事は、どうぞお気軽にご相談ください。

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