植物体には、従属品と交雑品種があります。その違いと育成方法・利用方法を解説します。新品種を開発している方は、品種登録の参考にしてください。
従属品種とは
既に品種登録されている品種を、遺伝子組み換えするなどして、育成された品種のことです。
従属品種の育成と利用
従属品種は既に品種登録されている親品種を使用し、遺伝子組み換えなどを行えば他人が簡単に育成できます。こうしてできた従属品種を他人が利用できることにすると、親品種の育成者の権利は簡単に侵害されることになります。
こうしたことを防ぐため、種苗法では、従属品種にも親品種の育成者としての権利が及ぶことと定められています。このため、他人が従属品種を利用する場合は登録品種の育成者の許諾が必用となります。
元々の登録品種を育成した人にとっては当然のことですね。
この権利は親品種の育成者としての権利が存在する間は守られます。しかし、従属品種にあたるかどうかの判断には、一律の基準がないため、個々のケースによって判断されることになります。
交雑品種とは
「F1品種」と呼ばれ、繁殖のために常に登録品種を交雑させる必要のある品種のことを言いいます。
例えば、品種Aの種子を創る場合、必ず登録品種である品種Bと品種Cを子雑しなければならない場合は品種Aを品種BとCの交雑品種となります。
交雑品種の育成と利用
従属品種と同じく、他人が交雑品種を容易に育成できるため、種苗法では、交雑品種に関しても品種登録されている親品種の育成者としての権利が及ぶと定められています。
登録品種を掛け合わせてできた交雑品種を利用する場合は、登録品種の育成者の許諾が必用となります。